アド・ミュージアム東京が、“江戸期の広告展”から開催してきた特別企画展・歴史シリーズの第4弾。60年余にわたる激動の昭和を、戦前・戦後の2期に分け、今回はそのパートTとして主に戦前を中心に取り上げます。大衆消費社会の出現によってモダンで華やかな広告表現が駆使された昭和初期から、戦時体制下の“広告冬の時代”、そして戦後の復興期までの四半世紀に、広告は大衆に何を伝えてきたのかを主にミュージアムの収蔵広告作品から構成・紹介します。
現在でも広告キャンペーンや販促活動の重要な要素である景品・付録は、江戸後期には主に錦絵などの摺り物を中心として制作され、人気を集めていました。特に「景物本」は、開店や特別売り出しの際に発行され、中でも戯作者が手がけたものは人気を博しました。
明治期に入ると新しい印刷技術の導入によって景品・付録の種類が増え、また、マスメディアの登場によってその到達範囲が一気に広まります。当時のニューメディアである新聞や雑誌は購読者の拡大を狙って、双六や錦絵、写真を付録につけて評判を得ました。また、村井兄弟商会は当時欧米で人気のあった「たばこカード」を商品に入れ、ブームを起こしました。
大正期以降には子供向けの景品・付録が一段と多様化し、特にグリコの「おまけ」は現在も続くロングヒットになっています。
このようにプレミアムが拡大した背景には、大正から昭和にかけての均質な大衆社会の成立があげられます。プレミアムは人々の日常生活にささやかな楽しみをもたらす身近な販売促進手段といえるでしょう。